レンズ越しの君へ
「嫌とか言ってるくせに、いつもよりヤバくねぇ?」


廉はあたしを見下ろしながら、意地悪な笑みを浮かべた。


「やだぁ……っ……!」


こんなやり方、まるでレイプじゃない……


戒めや儀式みたいに、あたしを抱かないでよ……


必死に抵抗しているのに、あんな事を言う廉が嫌い。


こんなやり方は嫌なのに、彼の指先にいちいち反応する自分(アタシ)はもっと大嫌い。


結局、廉はあたしを抱いた。


愛情も感情も無いような冷たい行為は、あたしを追い詰めた。


泣いても泣いても、涙が溢れ出して止まらない。


「これでわかっただろ?お前は絶対に俺からは逃(ノガ)れられない。仕事ももう辞めろ。俺が養ってやる」


あたしは、廉に背中を向けてただただ泣いていた。


「それと来週、連れて行きたいとこあるから」


廉は、どうしてそんなに普通でいられるの……?


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