レンズ越しの君へ
「澪っ!!次だよ、次っ!!」


隣にいる綾が声を潜めながら、あたしの腕を叩いた。


「それでは、今回最優秀賞を受賞されましたShikiさんにご登場して頂きましょう!」


司会者の言葉に、会場にいる人達は一斉に拍手をした。


だけど、あたしはそれどころじゃない。


やっぱり電話を掛けようと踵を返した時、綾に手を引っ張られた。


「ちょっと、綾?あたし、電話して来るから……」


声を潜めながら言うと、彼女が引き攣った顔で首を横に振った。


「み、澪……前っ……!」


綾は声を震わせながら、舞台を指差した。


「前……?」


仕方なく、舞台に視線を遣る。


その瞬間…


奥から舞台に出て来た人を見て、心臓が止まるかと思った。


そこにいたのは、廉…。


「……っ!!」


声にならないあたしの声は、拍手に掻き消されてしまった。


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