レンズ越しの君へ
7時に合わせたアラームが鳴り出し、必死に重い瞼を開ける。


いつも仕事から帰ると午前様で、遅い時には朝方になってから眠りに就くから、朝がすごく苦手。


だけど…


廉と同棲してからは、彼の出勤時間に合わせて出来るだけ起きている。


まだ隣で眠っている廉の腕からそっと抜け出して、彼の寝顔を見つめた。


「おはよ」


小さく呟いて笑みを零した後、キッチンに向かった。


廉が起きて来る前に、急いで朝食を作る。


和食派の彼に合わせて、朝は白ご飯とお味噌汁。


それが廉のこだわりらしい。


同棲を始めた日の翌朝に洋食を用意したあたしに、彼は少しだけ不機嫌な声でこう言った。


「朝は和食にしろ……」


何だかんだ言っても、廉は洋食でも食べてくれるけど…


その事があってから、朝食には出来るだけ和食を用意している。


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