レンズ越しの君へ
嵐との約束の日。


いつもよりも早起きをして、部屋中の掃除を済ませた。


「お前、張り切り過ぎ……」


後から起きて来た廉に呆れながら言われてしまう程、あたしは本当に張り切っていた。


「しかも、こんなに食えねぇよ……」


彼は準備した料理を見ながら眉を寄せて、ため息をついた。


「……そうかな?」


「これ、軽く四〜五人分はあるだろ……」


「大丈夫だよ♪ほら、嵐は成長期だから!」


笑顔で言ってからメイクを済ませ、携帯と睨めっこをして嵐からの連絡を待った。


何度も時計を確認しては今か今かと待ち侘(ワ)びているあたしに、廉はどこか複雑そうにしながら苦笑いしていた。


昼前になって、やっと嵐から電話が掛かって来た。


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