レンズ越しの君へ
「俺は、それを澪に誓う」


廉は真剣な眼差しであたしを見つめて、あたしにもう一つのネックレスを渡した。


「だから、お前も神様じゃなくて俺に誓えよ」


あたしは、溢れる涙が零れ落ちないように小さく頷いて、少しだけ背伸びをした。


そして、廉にネックレスを着けた。


「澪……」


彼はあたしを抱き締め、耳元にそっと唇を寄せた。


「愛してる……」


囁くように落とされた甘い言葉が、あたしの心を優しく包む。


その瞬間、堪えていた涙がそっと頬を伝った。


廉はあたしの頬を優しく撫でて、唇をそっと重ね合わせた。


甘くて、優しくて…


胸の奥がキュンと鳴いた、幸せなキスだった。


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