Strawberry & Chocolate
No.21 小腹ついでに~小梅side

リナに一通りの状況と理由を説明した後、夕飯の支度をすると言ってリナは中村園に戻って行った。




大丈夫でしょうか…?


ううん。



大丈夫なはずありませんよね。




こんな状況でいきなり記憶を取り戻さなければいけないなんて言われて。



動揺しない人なんていない。







『心配だよな…。リナのこと』





リナが部屋を出て行って無言になった私たちにルゥがぽつりと呟いた。






「つか、このことは俺らがどうこうできる問題じゃねえしな」



「そうですね。柳人の言う通り…。心配することしか今はできません」





記憶はリナ自身の問題だから。



私たちには、心配してあげることはできるけど、あとは何もできない。



リナが乗り越えてくれるのを信じるしか…。



ガタッ。



不意に椅子の動く音がした。



見ると柳人が帰る支度をしていた。





「え…?柳人、帰るんですか?夕飯食べていかないんですか?」



「あぁ…。それはありがてえんだけど、俺これからバイトあっから。だからもう行かねえと」



「そうですか…。バイト、頑張って下さいね」



「あぁ。じゃな」



「あ、柳人くん。バイトに精を出すのもいいけど、イーヴルと戦う体力は残しておいてね。いつ出るかわからないんだし」



「うっせーなっ!わーってるよっ!」

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