Strawberry & Chocolate
No.22 お断り~小梅side

声がした庭の方に目をやると、見てるこっちが恥ずかしいくらいのコスプレ(中世ヨーロッパ風貴族のような格好…)をしている長身で長髪の男性が立っていた。




…このくらいじゃ私はもう驚きませんよ。




それにしてもいつの間に敷地内へ…?



お父様に警備強化してくださいってお願いしなければ。







「ウワサをすればか…」



『やっぱりテメーか吸血鬼!!今まで一体何やってたんだよ!!危うくこっちは…!』



「相変わらずやかましい化け猫だな、緑。俺が腹一杯じゃなかったら一瞬で干からびてたぞ」



「それって今まで仕事サボってたってことを暴露したようなもんだぞ、ガイア。…つかお前猫の血も吸うのかよ」






家主を無視して変な火花散らさないでください!!



ていうか、ズカズカと勝手に家に入ってきてるし!!



何なのこの人!?







「ちょっと、あなた…!」



「フン。この娘が今回の使い手か…。
…幸先が悪そうだな、今回も」



「はぁ!?」





幸先が悪そう…!?



初対面で早々なんでそんなこと言われなければならないんですか!?








「まず最初におっしゃることがそれですか!?もっと他に言うべきことがあるでしょう!?」



「あ?小娘、誰に向かってものを言ってやがる」






誰にって…あなたにしか話してないんですけど…!?







「これだから人間は…。礼儀がなってねえな」





れ、礼儀がなってない!?



それはこっちのセリフです!!






「あなたが何者かは存じませんけど、他人の家にあがりこんで挨拶もしないなんて…!礼儀がなってないのはあなたの方では!?」





バキィッ!!



私がそのセリフを言った瞬間、客間のテーブルが粉々に崩れた。






「小娘…今度俺にそんななめた口をきいたら今度は貴様がこうなるぞ」




そう言ってガイアと呼ばれた男性は、私の目の前でテーブルの破片を散らしてせた。


私、ここ2、3日で色々非常識なことには慣れたつもりでいましたが…。



この人には非常識も何もあったもんじゃない…!!



私にだって我慢の限界があるんですよ!?

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