Strawberry & Chocolate
No.25 同じ〝傷〟~ソラside

「行ってきまーす!」




小鳥がチュンチュン鳴くさわやかな朝。



ただいまの時刻6時半前。






「…ん~。いってらっふぁ~い…」





まだ寝ぼけ眼のリナが俺を見送る。



なぜこんな早い時間に登校するのかというと、単に部活の朝練があるから。



苺蘭学園は名門校と言われてるだけあって、勉強にも部活にも力入れてるからな。



どの部活もインハイの常連だし。





まぁ、俺の所属する剣道部はインハイ行ってねぇけど。



俺が入部したことで今年こそはと気合いが入りまくってるらしい…。



俺としては、強いヤツと戦えるならなんだっていいんだけど。




そういう強い人たちと戦えば戦うほど俺は、強くなれるから。



きっと、今までよりももっと、もっと…!





『そんなに強くなってどうすんだお前?』



「は?」





今、俺の思考回路を読んだやつは誰だ!?



キョロキョロ当たりを見回すが…今は早朝。



歩いてる人なんて俺くらい…。



じゃあ、今の声はどこから…?







『オッホン!こっちだこっち』





俺は声が聞こえた方を向く。



…俺のカバンに昨日食堂にいた奇妙な生物が入っていた。



いつの間に、んなとこへ…!?






「お…お前…何だ!?」



『オレ?知らねえのか?ウワサの育てるロボットだぞ。ルゥだ。昨日はウマい飯サンキューな!』






はぁ…?



育ててるってかなり自我あんじゃん。




そういや3組の連中が騒いでたな…。



担任がアヤノトイズカンパニー製のヘンなロボット持ってきたって。



あの変態…もとい小梅叔父が作ってるロボットって聞いたから、てっきりコユキちゃんシリーズの何かかと思ってた。




マシなのも開発してんだな。

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