Strawberry & Chocolate

┣No.39.1 前兆~ソラside


…頭が……痛い。





この、歴史館に来た時から…もっと正確に言うなら、小梅から「森良町」って言葉を聞いた時から。







何故だ?




わからない。



わからない…何も…っ!





   ····
けど、知ってる。



俺は森良町を知ってる。




そしてリナにそっくりな桜月 苺。



館長である一。




その名を俺は、覚えている。






何でだ…っ!?



俺は…ここに来たのも初めてで、桜月 苺や一を見たのも、今日が初めてなのに…!







「ソラ、大丈夫…?」



「え…っ!?」







リナがいつの間にか俺の顔を覗き込んでいた。




俺は館内にあるイスに座り込んでいたらしい。






「顔色悪いよ?どうしたの?」



「あ、あぁ…。大丈夫だよ。俺、どうも歴史とか苦手ならしな。こーゆーの見るだけで頭イタくなるよ」



「あはは。それ言うならあたしもだよ」







そう、笑ってはぐらかした。



リナに、みんなに、心配はかけたくなかった。




すると、リナは俺の手を握って言った。








「あのね、ソラ。帰ったら…話、あるから」



「帰ったら?…今じゃダメなのか?」



「うん。…まっ、ゆっくり休んでて!」







俺が何かを言う前に、リナはそれだけ言うと小梅たちのもとへ走っていった。




次の瞬間、轟音が館内に鳴り響く――。

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