Strawberry & Chocolate
「それはそうかもだけど!あたしもうすでにキャパオーバーで状況についていけてないんだってば!!そんないきなり魔法の国に行くとか力使いこなせとか言われてもムリに決まってんじゃんっ!!」
「それでもやるしかないんだ中村さん。選択肢は他にない。イーヴルに勝つ為にも」
「…わかってる……。あたしだってわかってるんだよ…!〝Hope Lights〟に選ばれた人間なんだから…ホントはみんなと一緒に戦わなきゃいけないんだし…!!でも、だけど…!!」
「リナ…」
「…出発は明日の朝にしよう。それまでにみんな体を休めること。いいね?」
月島さんのその言葉で話し合いは打ち切られた。
…話を聞けば聞くほど、疑問ばかりが浮かぶ。
世界を照らすために創られた〝Hope Lights〟…。
それがなぜイーヴルを倒す武器なんかに…!?
これが、桜月 苺が本当に創りたかった〝希望の光〟の姿なの…?
「小梅…。お前すごい顔になってんぞ」
「わっ!りゅ、柳人!?
お、脅かさないで下さいよ!」
「…いくら考えたってわかんねえもんはわかんねえんだし、今は諦めて休んだ方がいいと思うけどな」
わからないものはわからない…。
そうだよね。
月島さんたちだってわからないことなんだから。
私なんかが考えたってどうしようもない。
私は私の出来ることをやるだけだ。
月島さんの言いつけ通り、今日はゆっくり体を休めることにしよう。
「ねぇ柳人っ。久しぶりに私の歌、聞いてくれませんか?」
「あぁ?…いいけど、ここでか?」
「もちろん屋上で、ですよ!!」
「お、屋上って…!!今から学校なんざ行くのかよ!?」
「はい!!」
「ったく…。お前…休むって意味わかってんのかよ…」