Strawberry & Chocolate

どこのヒーローだよお前は。



お前が傷ついたら俺なんかより、心配するヤツらが山ほどいんだろーが。



ソラやリナは特に…。









「あー!!もー!!」





ここで全部投げ出して逃げんなら、俺はただのへっぽこ臆病ヤローじゃねーか!!





バァン!!



屋上から一気に駆け降り俺は化学室の扉を蹴り飛ばした。








「えっ!!?りゅ、柳人!?どうし…」



「おいてめー!さっきの石返せ」






のん気にペロペロキャンディを舐めてる化学教師に手を突き出した。






「返すも何も、君が勝手に置いていったんじゃないか」



「うるせぇ」



「で、その様子だと覚悟は決まったってことかな?」





…コイツ…全て予測済って面してやがる。



だから教師ってもんが嫌いなんだよ。







「俺はお前を全く信用しちゃいねえし、他人と関わるのもまっぴらごめんだが…。臆病者にまで成り下がる気はねぇんだよ。
……やってやろーじゃねーか。ケンカは得意分野なんだ」



「なら良かった」



「柳人……本当に…戦うんですか…?…無理しなくても…」



「そりゃこっちのセリフだつーの。お前だって…。
お前がケガでもしたら心配するやつがいっぱいいんだろ。両親とか、ソラやリナだって。
それに…その、…俺も…な」





…うわ…言ってる自分が死ぬほど恥ずかしい…!







「…私は…大丈夫です!決めましたから。強くなるって。この街も自分も守れるくらいに」



「…そうか」





…なんつーか…ホント、小梅には敵わねーな。








「で、また割り込んで悪いんだけど」



「何だ!?」



「何ですか!?」



「君たち、なんで今日俺の授業出なかったのかな?」



「「…あ……」」

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