『Memory's Messiah』(ダークファンタジー)
滝沢が102号室に入ってすぐ部屋の奥から電話の人物と同じ声がした。


茂『速く扉を閉めて鍵も掛けろ』


滝沢(どんだけ神経質なんだよ)


滝沢が鍵を掛けた。


滝沢〔小声〕『お邪魔しま〜す』


滝沢が部屋の奥に進むと、そこには、夥しい数のパソコンの画面や何かの機械らしき物が在った。


滝沢の背後から謎の男が現れた。


何かの物音『カチャ』


滝沢(銃?…)


振り返ろうとする滝沢。


茂『おっと、そのまま動くな』


滝沢『……ずいぶん物騒な物持ってるねぇ』


茂『コイツは“護身用”でね。こんなご時世だからね、ネットで手に入れたんだよ…』


滝沢(護身用?)


滝沢『ところで、あんたは何者なんだ?』


茂『そいつはまだ教えられないなぁ。』


滝沢『真実を教えてくれるんじゃ無かったの?』


茂『いや、俺はただ“真実を知りたければ来い”って言っただけで、“教えてやる”なんて、一言も言って無いが。』


滝沢(それってただのヘリクツじゃ〜ん…)


滝沢(状況は最悪?)

茂『じゃあな』


銃声〔サイレンサー〕『パシュ』


倒れる滝沢…


滝沢の倒れる音『バタン』


滝沢『き、汚ねぇ…』


茂は倒れた滝沢を担ぎ、自分の部屋の奥に有る妙な機械の中に滝沢を寝かせ、そのすぐ近くに有るパソコンを操作する。


茂(んやっぱりそうだったか…なら平気だな。)


茂は机の引き出しから妙な薬品と注射機を取り出し、その注射機でその薬品を滝沢に注射した。


茂に注射された滝沢はすぐに意識を取り戻した。
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