『Memory's Messiah』(ダークファンタジー)
新道『分かりやすく言うと…例えば君達は学校で歴史と言うモノを勉強しただろう?私は、過去に行けはしないが、その歴史すらも変える事が出来る、もっと具体的に言えば、歴史上の人物の一人の“存在の記憶”を消したらどうなると思う?…』


新道『滝沢君、君が一番分かるのでは無いかね?現に君は消されたのだからねぇ。』


滝沢『今更だけど、やっぱりアンタだったのか、俺の記憶を皆から消したのは』


雪華『でも可笑しく有りませんか?』


新道『どうしました?雪華先生?』


雪華『確かに滝沢君の記憶は私やリンから消されて居るけど、でもどうやって?貴方の言う通り、“電波”で記憶を操るには、電波の“送信機”と“受信機”が必要なはず…そして“送信機”はこの建物の中に有るだろうけど、“受信機”は?私達は“受信機”なんて持たされた記憶は…』


雪華『あまさか…』


新道『その通りさ、私は多くの人を、この世界中に知れ渡る程の規模に膨れ上がったこのMemory社の社員達を使い、世界中の人々の脳に、記憶の電波の受信機を埋め込んだ。そしてその埋め込みの事実をも、記憶から消し去った。』


新道『しかも、その受信機は今の人類の化学や医学では、取り去る所か、発見すら出来ないだろう。』
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