緊急HR

○少し前●


1年3組の教室内には、砂埃が立ち込め、斉木達の視界を奪った。



ダダダ……………

足音が、徐々に小さくなっていく。

そして次に目を開けた時には…


『………っ』


『!!!ちっ…お前…余計な真似を…』


斉木が舌打ちをする。

この場には、斉木を含み長曽根・金澤・田嶋以外誰一人として残ってはいなかった。


『へへ…チームワークの勝利だよ。
分かったろ?数学なんて実際なんの役にも立たねぇんだよ♪』


汗だくの長曽根がおどけてみせた。


『………ざ…けんな…』


斉木はわなわな震え…

ダンッ!!!!!


『うっ!???』


全身の力を使い、勢いよく教卓を弾き返した。

長曽根は、その力に負け、よろめいた。

すると斉木は先程のナイフを素早く取り出し、教卓に身を乗り出した。


『………!!!』


【しまっ……】


長曽根が逃げる暇もなく


『お前が《一人目》だ!!ゴミ!!!』


斉木は手にしたナイフを大きく振りかぶった。


『金澤!!!逃げ……』



.●・..・●.・




『…長曽根ぇえぇ!!!!!!!!!!!!』



金澤の悲痛な叫びだけが…

教室内に響き渡った…



【悪りぃ…皆……
金澤達を……頼……】



1年3組 出席簿



【18番 長曽根 樹矢(たつや)】





【欠席】




1時間目『幕開け』




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