君に秘密の恋
「ただいま〜!」


自己嫌悪に陥っていたあたしがリビングのソファーでボーッとしていると、この春から大学生になった姉の千鶴(チヅル)が帰って来た。


「おかえり……」


「何よ、その辛気(シンキ)臭い顔……。また健一と喧嘩でもしたの?」


千鶴はため息をついた後、呆れたように眉をしかめた。


「そんなんじゃないよ……」


「アンタって美人なのに、健一が相手だと本当に可愛くないもんね〜。まるで小学生みたい」


千鶴は、ケラケラと笑った。


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