君に秘密の恋
この気持ちが恋だと気付いたのは、中学一年生の時。


一般的には、女の子の方がおませなハズなのに…


恋に無縁だったあたしは、恋を知るのが遅かった。


と言う事は、その頃にはもう既に好きな子がいた健一(コイツ)の方が、自分(アタシ)よりも大人だったのかもしれない。


「はい」


あたしが差し出したタッパーを見た幼なじみの男、栗原健一(クリハラケンイチ)が小さなため息をついた。


親同士の仲がいいせいでいつからか日課になっている夕食の配達は、決まってあたしの役目だった。


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