恋色模様

臆病者の自分

「「あーたしさくらんぼ〜っ♪」」

彩愛と聖奈がノリノリでさくらんぼを歌っている。

それに、託也と謙がタンバリンやマラカスをふる。

それをみて私は笑っていて、陽向は寝かけている。

「ねぇ、麗ちゃん…麗ちゃんは好きな子いる?」

「えっ……陽向は?」

ドキン

陽向の顔がいつもより真剣。

けどどこか眠そう…(笑)

「麗ちゃんが教えてくれたら教えてあげる」

「いるよ……もうココにはいないけど」

「亡くなったの?」

「うん、私が中等部にいるときにね…大好きなんだ…今でも…大好きなんだ……」

「名前……聞いていい?」


「…………原田 光輝(はらだ・こうき)………」


「もっ…もしかして……」

「えっ…知ってるの!?」

コレは立派な殺人事件。

「男の子が女の子守ろうとして
死んじゃう奴でしょ?」

私はうなづいた。

この事件は新聞の隅の方に掲載されていた。

と言うことは、陽向はちゃんと新聞を読んでる。

イコール……私がここにくる前から私の事を知っている…。

だから初めて会ったとき、なんか違和感あったんだ…。

「私ね…光輝が…まだ忘れられないの……けど、今なら本当のこと言えるような気がする…陽向…きいてくれる?」

「うん」

「受け止めてくれる?」

「うん」

「泣かない?」

「それはこっちのセリフ」

「泣いたら「抱きしめてあげる」
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