お隣さんの隣



ピンポーン



「あ、はいはーいっ」



ドアを開けると…


「燕君っ」


『久しぶりですね、お邪魔します』


2人で向かうのは私の部屋。




『…また散らかして』

「あは…」


最初は汚いと思われるのが嫌できれいにしてたけど、今はもう…心許してるわけだし。




「そだっ!はい、これ」


そう言って私が差し出したのはシャーペン。



「私が受験の時に使ったやつ」

『なんとも落ちそうな』

「しっ失礼な!」


せっかくの人の好意を!




『嘘ですって。ありがとうございます』



急に優しく笑うからずるい。
カッコいいって思ってしまうから。






「絶対受かってね」

『当り前です

……とその前に………』

「うわっ…何す…」



『願掛けです。後充電』



痛いくらいに抱きしめられる。




燕君の匂いだぁ。


『シャーペンより佐奈です』




な……なんかシャーペンと比べられるってのも……。




ま、いっか。





< 103 / 113 >

この作品をシェア

pagetop