お隣さんの隣


日曜日の昼下がり。
外はとても麗らかな天気で、冬にしては暖かい日だった。





「うがあー!」

『なした!?』



私の奇声に驚きの声を上げる、友達の夏樹ちゃん。




「だって…。
こんなの有り得んの!?」



私が文句をつけているのは、ビデオ屋さんから借りてきた甘い甘いラブストーリー。



「私には無縁だよ…」


『分かったっ、羨ましいんでしょ?』


「う、羨ましくなんかっ」




…ないわけないだろー!
夏樹ちゃんは彼氏がいるから分かんないんだよ。
この切なさが。





そして映画の中では今人気のイケメン俳優が甘い言葉を、甘い声で、甘い仕草で、甘い表情で囁いていた。



熱々ラブシーン真っ只中。



『良いとこじゃんっ』

夏樹ちゃんは目線を私からテレビに素早く移した。



そんな夏樹ちゃんを見て私も羨ましすぎるラブシーンを見つめた。

< 2 / 113 >

この作品をシェア

pagetop