ラストメッセージ
「私、アイスティー! 美乃ちゃんは?」
「オレンジジュースにしようかな」
広瀬は、店員を呼んで注文をした。
「久しぶりだね。元気だった?」
「あぁ、まぁ……。仕事が忙しくて大変だったけど……。今日は久しぶりの休みなんだ」
美乃の質問に、思わず言い訳っぽく返してしまった。
「だから、真っ黒なんだね」
いつものように笑う彼女につられ、安堵混じりの小さな笑みが漏れる。
「あれだけ病院に来てたのに全然来なくなったから、てっきり遊んでるのかと思ってた」
「本当に忙しかったんだよ。夏は梅雨時期の皺寄せが来るから」
不服そうな顔をした広瀬は、俺を疑っているらしい。
だけど、嘘はついていない。
気まずさから美乃に視線を遣ると、ふといつもと違うことに気付いた。
「今日は、ケーキ食わないのか?」
「うん、最近は調子が悪くて……。今日は久しぶりに外出許可が出たの」
苦笑した美乃が、バッグから薬を取り出した。
彼女はもともといくつかの薬を飲んでいたけれど、以前よりも格段に種類が増えている。
心なしか、顔色も悪い。
薬を飲む美乃を見ながら、心が不安に包まれていく。
「そんなに悪いのか? 薬も増えてるし……」
「大丈夫、ただの夏バテだよ。最近暑いから」
美乃は笑っているけれど、彼女の顔や腕をよく見ると痩せたような気もする。
「美乃ちゃん、食欲も落ちたよね」
美乃は、俺が思っているよりもずっと、容態が悪いのかもしれない。
病気のことはあまり話してくれないけれど、長期入院しているくらいなんだから。
「オレンジジュースにしようかな」
広瀬は、店員を呼んで注文をした。
「久しぶりだね。元気だった?」
「あぁ、まぁ……。仕事が忙しくて大変だったけど……。今日は久しぶりの休みなんだ」
美乃の質問に、思わず言い訳っぽく返してしまった。
「だから、真っ黒なんだね」
いつものように笑う彼女につられ、安堵混じりの小さな笑みが漏れる。
「あれだけ病院に来てたのに全然来なくなったから、てっきり遊んでるのかと思ってた」
「本当に忙しかったんだよ。夏は梅雨時期の皺寄せが来るから」
不服そうな顔をした広瀬は、俺を疑っているらしい。
だけど、嘘はついていない。
気まずさから美乃に視線を遣ると、ふといつもと違うことに気付いた。
「今日は、ケーキ食わないのか?」
「うん、最近は調子が悪くて……。今日は久しぶりに外出許可が出たの」
苦笑した美乃が、バッグから薬を取り出した。
彼女はもともといくつかの薬を飲んでいたけれど、以前よりも格段に種類が増えている。
心なしか、顔色も悪い。
薬を飲む美乃を見ながら、心が不安に包まれていく。
「そんなに悪いのか? 薬も増えてるし……」
「大丈夫、ただの夏バテだよ。最近暑いから」
美乃は笑っているけれど、彼女の顔や腕をよく見ると痩せたような気もする。
「美乃ちゃん、食欲も落ちたよね」
美乃は、俺が思っているよりもずっと、容態が悪いのかもしれない。
病気のことはあまり話してくれないけれど、長期入院しているくらいなんだから。