夢と恋のあいだ
第二章 今日まで

……煙草の匂いがする。




温かい……









目が覚めると、私は車の中で眠っていた。






「……え? あれ?」




私に掛かっていたジャンバーは戒のものだった。







外に出てみると、冷たい空気が包みこむ。




「てか…もう朝じゃん。」





ヤバイし。


竜紀さん…絶対心配してるよ。






「お、起きたか 生意気小娘。」


「はぁ!?」




勢いよく振り返ると、缶コーヒーを持った戒がいた。





「……ほら。」




缶コーヒーが私に向かって投げられる。




「ありがと…」






「大丈夫か?身体。」


「うん。だいぶ良くなった。」



「なら…いいんだけど」












「…………………。」


「…………………。」











気まずい…









だって昨日 あんなコトあったし!


私あんなコト言っちゃったし…









握りしめる缶コーヒーで、私の手は温かくなっていた。





「…お前さ、」


「はい!?」




…びっくりした。


だって急に話されたから…







「お前、“いらない”って言われたことあんの?」













「…え………」




私は胸の奥が凍る感じがした。















私は目を閉じた。









「…あるよ。」




消えない私の過去―…
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