夢と恋のあいだ

ありえない男

「奈子ばいばぁい♪」

友達が私に手を降って帰っていく姿を、教室の窓から見送った。




「奈子ー。今日どこ行く? 買い物する?」


綾菜がケータイを開きながら聞いてくる。



「んー。」



「ゲーセン飽きたしね?」


「んー。」




「もう!奈子行くよ!」




綾菜は少しキレ気味で私の手を引っ張った。








―渋谷。






「奈子~見て見て!可愛くない!?」



綾菜がはしゃぎながら手にしているのは、ブサイクなマスコット。



今 流行ってるらしい…



「奈子~何食べる?」



店から出てブラブラ歩くとお腹が鳴った。




「クレープ食いたい。」


「OK~♪」





私達はクレープ屋に行くと、チョコムースクレープを2つ頼んだ。



「んまい!」


綾菜と感激して食べていると、店の間の路地に人影があった。




「…?」




「どした?奈子?」



「ううん?別に!」




気のせいか…。






そう思って近くのベンチに座っていると、私は路地が気になってまた視線を路地へやった。







あれ??








暗い路地のゴミ箱の隣にうずくまる人がいた。





「えっ…倒れてる!?」



私はクレープを握りしめたまま、路地へと走った。




「ちょ…奈子!?」



綾菜も後からついてくる。
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