夢と恋のあいだ

トラウマ

その日の夜。



「奈子お姉ちゃん お帰りなさい♪」



妹が玄関に駆け寄ってきた。



「ただいま。竜紀さんは?」



「お父さんはまだお仕事なの。」




「そう…ありがと アユ。」




私は2階の自分の部屋に入った。






今日は何だか疲れた。





扉にもたれかかると、溜め息をついた。










ピリリリリ


ピリリリリ




突然 携帯がなった。






「誰だろ?」



携帯の画面には、覚えのない番号。



取りあえず出てみることにした。




「もしもし?」



『あっ!もしもし?俺。』



「は?」


『俺だよ。戒!』




「えっ……!?戒!?何で私の番号知って…」



『あぁ、奈子チャンがトイレに行ってる間にちょっとね。』





コイツ… 殺したい。




『怒ってる?』


「当たり前じゃ!!」


『まぁ 怒るなよ。』



この状況でどうやって。



「で、用件はそれだけ?切るわよ。」



『待てって!あのさ…』





「? 何よ?」



『明日、会えない?』





は???


「嫌です!!!」


『はぁ?なんで。』




「もう会いたくないの!」



私はそう言うと 電話を切った。






ありえない。


アイツといるとあの日のことを思い出すから…
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