REVERSI
―――――…

「聖、起きなよ」

「…んー、もうちょい」

「駄目、今日はソファ見に行くんだろ」

「ソファ…ソファ」


瞼が開かないあたしは枕に顔を埋めて、まだ寝起きの掠れた声で呟く。


「起きろ、じゃないと…」



不意に、指先があたしの脇やら横腹をくすぐって…



「ふぎゃー」


「ちょっ…や、ぐぁっ!ウヒャヒャ!!分かった、分かったから!!!」




耐え切れなくて、あたしは力の抜けた手で必死に防御した。



「じゃ、起きてね」


「…ひどい」


「ひどくない。」


一穂(かずほ)は、あたしの額にチュッとキスを落とすと、目を細めて笑った。



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