=キング of ビースト=



「いて欲しいから…っ。」


なんで、夜琉はそんな事を言うんだろう。そんな切なそうに言われたら断れるわけがないのに。


心臓がバクバクしている。


「…分かった。」


ちょうど今から夏休み。学校も行かなくていい。


「由莉、悪かった。」


そっと私の頬に触れる。


「こんな目に合わせて。次からは絶対俺を呼べ。二度とこんなことさせねぇから。」


「…。」


「頼むから、俺の目の前から消えないでくれ…っ」


ヤバい。涙がでてきた。


「消えないよ。どんなことがあっても、夜琉の隣にいる。」


震える声で私は私の頬にある手をそっと包んだ。


「次なんかあったら夜琉呼ぶから、絶対来てね。」


微笑んで私は言った。



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