=キング of ビースト=



すると下っ端たちは困惑気味になっていた。

その様子を見て私は、フッと笑い出口に向かって歩きだそうとするが、

「おい。誰が帰っていいって言った。」


不機嫌な声が降ってくる。


「私はあんたのしもべでも、下っ端でもない。だから私はあんたの命令を聞かないといけないわけでもない。」


と低く鋭い口調で言う。


本当はこの場で言ったらいけない言葉だと言うことぐらい私にだってわかる。


下っ端たちの目の前でこんなに総長にケンカを売っていいわけがない。


それでも私はここにいない方がいいから。


ここはきっと暖かい所だ。入ってきた瞬間に分かった。お互いがお互いを信用している。


私には似合わない場所。



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