君の左手
あっ……



口元が上向いた



コイツ…笑うと可愛いじゃん




「貸してやるって時は大人しくありがとうって言えばいんだよ♪」



呆然とするアユミを無視して公園出口に向かう男


あまりに突然の出来事で頭の悪いアユミには何が何だか…―




『貸すって……あんたの番号とか知らないんだけど!!』


我に返って立ち上がった


外灯の下、また口元だけ上げて


「また近いうち♪」


って笑った




「そうだっ!!

化粧酷い事んなってんぞ♪

涙の跡で…♪」



小さい笑い声を残して住宅街へ消えて行った



涙って……


泣いてたのバレてんじゃん




それに近いうちって…?
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