僕等がみた空の色
第7楽章 惑う指先。





『とりあえず、今日の放課後"東の塔"に来てよ。』



『それが交換条件?』



『まさか。そこに来てくれないと始まらないから。』


そしてにっこりと微笑んだ、悪魔。







そしてあたしは今、件(くだん)の塔の前に佇んでいる。



一時間目のチャイムが鳴ったに関わらず会話を続けたあたしたちがクラスメートに冷やかされたのは言うまでもない。


「来たくなかった…。」



悔しさに耐え切れず、思わず声に出してしまう。




あいつの言うことを聞くっていうのも嫌だけど、それよりもー。




通称"東の塔"は、学校の敷地内にあると言っても、校舎から歩いていくのに10分はかかるし、すぐ後ろに不気味な林あって、噂されている。




この塔は、『出る』と……。






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