天使と吸血鬼
それは転校して、
しばらく経ったある日。

食べ物が合わない私は、
家から持ってきたジュースを
飲んでいた。

ジュースといっても、
血液を飲んでいる。
吸血鬼だから血を1日1回は
摂取しないといけない。

私は昼休みに飲んでいると、
真白さんが近寄ってきた。

「何飲んでいるの?」

「栄養剤。」

他の子たちはトマトジュースを
飲んでいると喚く。
一々人が飲むものに、
聞いてくるのがうっとしい。

私は真白さんも同じだと、
考え込んでいた。

「美味しいの?」

「美味しいけど?」

「私ね。友達いないんだ。
真壁さんなら友達に
慣れそうな気がするんだ。」

「勝手な事言わないで。」

「けど・・・。」

「ほっといて!!」

私はその日イライラしていた。
< 10 / 159 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop