天使と吸血鬼
「楓。私ね。
胸が苦しくなる時がある。」

「ええ。病気?」

「違うよ。
その人を見るとね、
胸が苦しくなって呼吸すら、
しんどいくなるの。」

「それは恋煩いだよ。」

「何それ?」

「その人が好きで好きで
仕方ないけど、
打ち明けられずに苦しんで
いることだよ。」

私は天童先生に、
恋をしているんだと、
気付いてしまった。

けど、相手は人間。
魔界に住むには私を血を
吸って貰い、
腕にある十字架の印を
貰わないといけない。

天使に星印があるように、
吸血鬼には十字架の印が、
付けられている。

昔はなかったけど、
ある日突然に付いていた。

悪魔界の女王になれる
印を手に入れた瞬間でも
あったと初めて知った。
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