やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】


真木ヒナタに睨まれながら、ポチも組長の後ろについて銀行の中へと入っていく。



最後尾からは、真木ヒナタが、銀行に入った。



銀行の中に入ると、中のお客や銀行員が、目をつぶったままの組長を不思議そうな目で見る。



「大和、目開けていいぞ。」



真木ヒナタの声を聞き、組長が目を開ける。



「・・・・んっ?何、ここ?・・・銀行?」



不思議そうに周りを見渡す組長。



そして、突然、銀行内に響き渡る真木ヒナタの声。



「わぁ~!銀行強盗だぁ~!助けてぇ~!」



真木ヒナタは、そう叫ぶと、そのまま、銀行の外へと逃げ出していった。



真木ヒナタの声に騒然となる銀行。



銀行内のすべての視線が、組長の右手に注がれる。



組長は、その視線に気づき、自分の右手を見ると、そこには、真木ヒナタから渡された拳銃が握られていた。



「・・・・・・どういうこと?」



後ろのポチを振り返ってみる組長。
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