やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】


「しかし、このままでは、加藤さんもお困りでしょう?」



「た、確かにそうだけどな。」



「だったら、私が、ドアをけり壊してあげましょう。」



笑う執事に焦る加藤刑事。



「だから、ドアを壊しちゃダメなんだよ。」



「・・・・あの~・・・ドアを壊す壊さないは置いておいて、とりあえず、中の組長が出てくるようにしむければいいんですよね?」



私は、押し問答をしている執事と加藤刑事に声を掛ける。



私の言葉に動きが止まる執事と加藤刑事。



そして、2人は同時に言った。



「そのとおり。」



「だったら、とりあえず、組長を説得してみませんか?」



「・・・・・・・・できるのかい、お嬢ちゃん。」



加藤刑事が、私に尋ねた。



「できるに決まっています、ねぇ、小夜さん。」



何故か自信満々に私に声を掛ける執事。



「できるかは、わかりませんが、とりあえずやってみます。」



私は、自信なさげに答える。



「まぁ、ドアをケリ壊されるよりはマシだな。頼むよ、お嬢ちゃん。」



「わかりました。」



私は、執事と加藤刑事の期待の視線を浴びながら、取調室のドアの前へと向った。



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