ずっと一緒に*先生の青②




「でもさ、千葉」


オレの言いたい事が
だいたい わかってるんだろう
千葉は軽く唇をとがらせてる



「お前さ、毎日、毎日
オレに自分は才能ないとか
相談してくるけど」


毎日、毎日
学校だけじゃなく
夜もしつこくメールしてくるし



まあ、生徒だから
邪険に出来ない
メールのおかげで
夕食後、イチの手伝いが
あまり出来ない



家にいる時くらい
青波を見てやりたいのに




「この学園の教師陣で
一番才能ないのオレだよ?
そのオレに相談したって……


垣ノ内先生なんか
元は芸大の教授だし
オレなんかよりよっぽど」


「三島先生のアホ」


「ああ?」


「私は三島先生が
一番話しやすいから」


そりゃそうだ
オレが 底辺だからだろ?


垣ノ内先生みたいに
威厳も才能もある人の前じゃ
愚痴れないわな




「私なんか
どーせ迷惑なんでしょ」


「そんなことないよ」


生徒を迷惑に思うわけないし



「本当に?
じゃ今夜もメールするね
三島先生」



あ、しまった
メールじゃなくて
今この場で解決したいのに


「じゃーねー」


さっきまで むくれてたクセに
満面の笑顔で千葉は
生徒相談室を出て行った



しかし、千葉
お前なんで
左右 違う柄の靴下履くんだ?



最初に言ったら
これが芸術よ
なんて言ってたけど
単純におかしいと思うよオレは





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