初恋の先で君を愛せたら
五時。

玄関の郵便受けのフタが少しだけ浮いてる。


うわ。大量かも。


中身を落とさないように慎重にあけると、そこにはエアメールが二つ。

それから宅配ピザの広告と、茶色い大きな封筒がひとつ。


『防南市秋の台207番地 笠宮 色 様』


えっ…私宛…?


これまでの私宛の郵便といえば、定期購読してる雑誌とか、年賀状とか、そんなのばっかり。

だからめずらしくって気になって、部屋に入ると何よりも先にその封筒を開けた。
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