初恋の先で君を愛せたら
ベンチに座るとき、どれくらい間を空けたらいいのかちょっと迷った。

でも座ったら、そんなこと気にするまもなく那徠くんが話し始めた。

「あのブランコ、二人乗り禁止だったじゃん。でも僕はいっつもやってて、すげぇ怒られるんだけどさ。次の日になったら、またやっちゃってるんだよな」


那徠くんの声、好きだな。

高くもなく、低すぎることもなく、ちょっと優しい声。


「すべり台も、あれ金属でできてるから夏はめちゃくちゃ熱くて。本気でやけどしそうだったし」


いま、私、すっごい幸せかも。


十一月なんてけっこう寒いはずなのに、心の中がとってもあったかい。


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