名も無き花
お釣を受け取って逃げるように、横へ流れた。


「ありがと!昭ちゃん♪」



その声が、真っ白な俺のあたまん中に、思考を書き込み意識を現実に引き戻した。

取りあえず店を出よう!



理由・逃げたいから!!

そう思って方向転換した瞬間



「祝100ページィ!」

後ろから店員の叫び声が聞こえた。

思わず振り替える。


やっちゃった感マックスの、表情で声に出さないものの

キャァァァ

と、言う感じにうろたえている。



なんと言うか、カワイィ…。

腕を引っ張られた。


「いこ?」


何処か寂しげな音色の流れる方へ意識ごと引かれて外へ……。
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