名も無き花
やっとの思いで、意識を現実に引きずり戻した俺は、玄関へと向かった。


落ち葉を踏む音が地面の声に聞こえる。
会話しているかのように、リズム良く音は鳴り響く。


家に入ったら、取りあえず買ってきた食材を冷蔵庫に収納する。

ガラガラだった冷蔵庫が賑やかになった。

多少雑なのは、男らしさ…と、言う事にしておこう。



一通り片付けたら、リコちゃん人形の服を持って外にでる。


俺は『それ』の前に腰を降ろして様子を見る。


『それ』は、変わらず瞑想している。


どうやって着せよう?
話かけるか?

そもそも人語を理解できるのか?
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