名も無き花
取りあえず、各駅を乗り継いで、大学のもより駅に行った。

駅から徒歩5分と意外と良心的ないちにあるのは、朝が時間との戦争状態の学生には有り難い。

完全に遅れてしまっては、その有り難さも逆に残酷に感じる。

できれば、ふらふら歩いて気を紛らわしたい所だ。

どんなにゆっくり歩いても10分強くらいだろう。

そんな事考えているうちに、目の前に正門。

今日始めの講義は確かどの友達ともかぶってないからアウトだ。
しかも、出席日数ギリギリだった気がする。

一言で言えば単位落ち。グサッと突き刺さる言葉。

くらい気持ちで、門をくぐった。

「ぁ!!昭ちゃんハッケン♪」

無駄に元気な声を出して俺に近付く女の子が1人。

えーと…茶髪。

「水谷さん!?どうしてここに?」

「それはこっちのセリフだよぉー」
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