刹那

新友

---6月---

周りのみんなは部活をして、遊んで、恋をして…
麻妃もそんな周りにすぐに打ち解けていった。
あたしはというとまだ麻妃以外の子とは話しかけられてやっと話すようになったくらい。
高校生にもなって自分から話しかけれないってどうなんだろう??
本っ当、暗くなっちゃったなぁ…。
そう思っていてもやっぱり高校生。
すでにグループができちゃってて無所属のあたしには話しかける話題なんて無いわけで…。
でもこのまんまじゃダメだよね?
2年になっても麻妃と同じクラスとは限らない。
最近は麻妃も自分のグループを見つけてあたしの相手どころじゃないみたい。

よしっ!!
あの子に話しかけてみよう!!
あたしは自分を変えようとあえて目立つグループの檜山雪乃（ヒヤマユキノ）ちゃんに
話しかけることにした。
「あの…。
　一緒に話してもいい?」
すると
「もちＯＫに決まってんぢぁん!!
　語ろ語ろぉ～♪」
向日葵みたいな笑顔で答えてくれた。
雪乃の第一印象はすっごく感じがいい子だった。
こんなあたしに対しても明るい笑顔で返してくれた。
こんな地味娘のあたしを仲間に入れてくれた。

嬉しかった。
入学してから3ヶ月。
「はい」
「うん」
「分かった」
くらいしか話してないあたしにとって1人でも友達が増えるのは嬉しい以上の思いだった。

そう。
今は…。
この楽しい今が…
3ヶ月後にまさか麻妃の手によって壊されるなんて知らなかった。
思いもしなかった。

まさか麻妃が---