涙の雫が地球を癒す時

第一章『戦争』

①光の世界が闇の世界へ…

「今日ものどかだねぇ…この街は。」
「そうだねぇ～…」

　私、片倉　空澄霞は彼氏の小高　悠太と一緒にデートをしていた。
デートと言っても近くの公園に散歩に来ただけなんだけどね…ははは…

　でも、私や悠太の家の近くは空気が澄んでいて植物が沢山生えている。
そして、動物も沢山居た。
私と悠太は、この街が大好きだった。
周りの人々も優しくて、事件も少ないこの街…

　だけど、世界のある地域では人々の命を奪ってしまう『戦争』と言うものが行
われていた。
そんな醜い戦争のお蔭で、私達の世界は滅亡しかけた。

　ねぇ、どうしてだか分かる？
神様がくだらない戦争に怒っちゃったからなんだよ…

「次は何処行く？」
「空澄霞の家行きたい。」
「え～？私の家～？」

　こんな楽しい会話を続けていられるのも、束の間だった。

　私と悠太が芝生から立ち上がった瞬間真っ青に晴れていた空が曇り始め、一瞬
だけ時空が揺れたのだった。
時空の揺れは地震のようで、震度４はあるような揺れだった。

　転びそうになった私の手を悠太は咄嗟に掴み、私を支えてくれた。

「大丈夫？」
「う、うん…ごめんね。…でも今…一体何があったんだろう？」
「何だったんだろうね…」

　私達が今の揺れのことについて話していると、暗くなった空から大粒の雨が降
り始めた。
その雨は私達に当たると洋服を溶かしてしまったのだ。

「えっ！？」
「酸性雨だ…空澄霞！早く逃げよう！」

　悠太は私の手をとって急いで走り始めた。

　一体何があったのだろう？
私はこの状況を何かの災いの始まりなのではないかと考えた。
その私の予想は、後で的中してしまうのだが…