秘密の★オトナのお勉強①



「いい人だね、神風さん…」



「表情に出ねぇから気付きにくいけどな」




なんとなく、貞永の態度が改まる気持ちも分かる。


…全てを尊敬しているんだ、貞永は。



あたしは涙を服の袖で拭うと、近くにある整った貞永の顔を見る。


そして、生きてきて一番明るいくらいの笑顔を浮かべた。




「貞永…頑張らないと許さないんだから!」



「当たり前だ。日本のあゆにも伝わるように…頑張ってくる」




ハリウッドで貞永が成功すれば、日本に一生戻ってこない可能性だってある。


それでもあたしは、貞永を気持ちよく送り出さなければいけない。



それが最後の…

貞永のマネージャーとしての仕事だと思うから。




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