秘密の★オトナのお勉強①



ドラマの撮影は順調に行われている。


早くハリウッドに向かえるようにと、監督が気を利かせて下さり、貞永が出演するシーンを優先的に撮影して貰える事になった。


肉体的にも精神的にもキツい仕事を、貞永は弱音一つ吐かずにこなしている。



…あたしの想像以上に、この仕事に情熱を注いでいるという事がすぐ分かった。




「あ!貞永!」




ちょうど撮影シーンが終わった貞永に、あたしは全力疾走で近付く。


小西さんとの電話を元に作成した資料を渡して、あたしは早口で話す。




「会見は五時から。四時に此処を出発して向こうで打ち合わせをするから。会見は一人じゃなくて、神風さんとハッピードリームの社長さんと行うからそのつもりで!」




言い逃げするあたしを呆然と見つめる貞永をよそに、あたしは再び全力疾走。



…あまりにも急ぎすぎて、さっきの言葉をノンブレスで言ったよ。

あたしって人間でも、やれば出来るんだね。




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