秘密の★オトナのお勉強①



記憶は遡って、あたしが高校二年生の四月。


当時同じクラスだったあたしと貞永は、席が近いという事もあり、意気投合した。




「光輝はさ?将来何になりたいの?」



「俺は…俳優だな!」




その頃のあたしは、貞永の事を名前で呼んでいた。


きっと、近付きたかったのだろう。

…大好きだった、貞永に。




「じゃあさ、あゆは何になりてーの?」




ふと尋ねられたあたしの夢。

別に、夢なんてなかったけど…




「あたしはマネージャー!で、俳優としての光輝を近くで見守るの!」




何としても近付きたかった。


そんな理由で、あたしは別になりたくもなかった「マネージャー」という単語を口に出してしまったんだ。




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