僕の街には今日も雨(涙)が降る…。

三、俺が全部受け止めてやるから

 優都は翔太に引き摺られ、飛夏羽と同じ体育館倉庫へと放り込まれた。

「じゃあな、千葉。」

 翔太は鍵を閉めて出て行った。

「…いててて…ん?飛夏羽?」

 優都が顔を上げたその先には、寝息をたてて静かに眠る飛夏羽の姿があった。
優都は無我夢中で飛夏羽に駆け寄り、飛夏羽の肩を揺すった。

「お、おい!飛夏羽!しっかりしろよ!おい!」
「…う…ん…」

 飛夏羽は優都に揺すられて、ようやく目を覚ました。
優都を見ると顔を赤らめて優都を見つめ返した。

「優都…何でここに?私は…榊君たちに…」
「俺も…」
「そうだったんだね…頭…大丈夫だった?痛くない?」

 飛夏羽は心配そうに優都の目を見つめた。

「俺は大丈夫だよ。」
「良かった…ごめんね…私…」

 優都は首を振って飛夏羽の口を塞いだ。

「それ以上何も言わなくて良いから。とりあえずここから出る事を考えよう。」

 飛夏羽は頷いた。

「…でもさ…」

 飛夏羽の涙声を聞いて優都は急いで振り向いた。

「…如何したの?」
「私のせいでこんなに人が不幸になってるのに…私…生きてても仕方ないんじゃ
ないかな…」

 飛夏羽は自分の存在理由を悔やみ、怒りと悲しみを織り交ぜながら泣き始め
た。

「そんな事無いよ!そんな事…絶対無いから!飛夏羽が死んで悲しむ人はいっぱ
いいるんだよ?」
「優都…」
「飛夏羽…泣くなよ。後で今までの分全部…俺が受け止めてやるからさ。」
「…本当?」

 飛夏羽は泣きじゃくりながら優都を見つめた。

 優都は頷いて飛夏羽を立ち上がらせた。

「…出よう。」
「…うん。」
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