僕の街には今日も雨(涙)が降る…。
「絶対?本当に?嘘つかないかなぁ?」
「絶対。本当に。嘘つかない。」

 この前の帰りと同じパターンである。

 同じ事を繰り返す飛夏羽を見て、優都は笑いながら対応した。

「何笑ってんだよ~。」

 飛夏羽は頬を膨らまして優都を見た。

「だって可笑しいんだもん。」

 二人が笑い合っていると、ガチャ、と音がして、鉄棒を持った翔太が入って
来た。

「ここなら誰も邪魔しないだろ?さっさとタイマンつけようぜ。」

 翔太は鉄棒をくるくると回しながら優都を見て笑っていた。

 優都は翔太を睨みながら翔太のところに行こうとすると、優都の前に飛夏羽
が立ちふさがった。

「邪魔なら入るよ。私が…止めるから。」
「飛夏羽?何言ってんの?」
「日本語。」

 飛夏羽の適切な返事に、優都は呆れて何も言えなくなった。

「何?飛夏羽ちゃんが邪魔すんの?そりゃ面白いや。」

 翔太はにやけながら飛夏羽と優都の所に来た。

 そして、飛夏羽の耳元で思わぬ事を囁いていった。

「…ごめんな。」

 飛夏羽は驚いて振り返ろうとすると、翔太は飛夏羽を地面に押し倒した。

「うっ!」
「飛夏羽!」

 翔太は飛夏羽から手を離し、優都の所に来ると、鉄の棒を振り上げて、優都
の頭を殴った。

「うっ…」
「榊君!止めて!」

 優都を殴ってから、翔太は鉄の棒を地面に捨てた。

「…千葉…俺の事…殺せよ。…殺せよな。」
「何言ってんだよ!?」

 何時もの翔太とは、様子が違った。
翔太は鉄の棒を優都の方へ蹴った。

「何時までも終わんねぇんだよ…こんな…命令ばっかりで…」
「…命令?うっ…」

 命令と言う言葉を聞いて、飛夏羽は頭を押さえた。

「飛夏羽!?」

 それからしばらく頭を押さえていた飛夏羽は立ち上がり、翔太の所へと行っ
た。
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