千恋 第1部

この先…

私の隣に翔也はいない…


私は1人?


ううん。


遠く離れても、翔也が見守っていてくれるはず…


だから大丈夫。


強くならなきゃ…


もっと強く…





「…ごめんね、翔也…もう大丈夫だよ」


「つらい思いさせてごめん…」


「私、翔也がいなくても頑張るから…」


「…ごめんね」




私は本当に翔也がいなくても頑張れるの?

またこうやって毎日泣くんじゃないの?





違う。

泣かない。


これが最後だ…



「ごめんね、唯…俺、唯が大好きだから…」

そう言って、翔也は私を強く抱きしめた。

「…私もだよ…翔也が大好き」



いつも言えない事がこんなに簡単に言えた…

これも強くなってる証拠だよね?






翔也はこの事を…

どんな思いで私に話した?


つらかった?

苦しかった?




きっと1番つらいのは、
翔也だよね…

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