涼×蘭

欲求と不満と悪戯。

「おかえりなさい」

「……ただいま」

「楽しかったですか?」

「うん」

スゴく……スゴく楽しかった……。

「蘭に言いましたか?」

「言ってない」

「本当に良いの?」

「良いんだよ……蘭は知らなくて……」

何も知らない、きょとんとして、小首を傾げながら何の話? って言ってほしい……。
何も分からないなら、俺を頼って聞いてほしい。

ただ……純粋な蘭を汚すようなことなら何も言いたくない。

純粋なままで居てほしいんだ。

俺には無い。
既に盗られて犯された。

何もかもが清いまま……そんな蘭で居てほしい。

でも、我が儘を言うなら少しだけ、少しだけ汚したい……。

でも清いままで居てほしいんだ。俺の汚い手には届かない存在で居てほしい……。



「……嗚呼」

いつも見る夢はそういう意味だったのか……?
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