涼×蘭
「ゆ、百合さんにね」

「うん」

「その……エプロン着けてくれたら夕食後は二人きりにしてあげるわよ、って言われたの……」

「え」

最後の方には声が小さくなっていたが、だいたい飲み込めた。つまりはあれだ。あの馬鹿姉!!!!!!

「だって昨日は百合さんから連絡があって一輝のとこに行ったのは良いけど、百合さんいるし、一輝を独り占めできなかったんだもん……」

必死に弁解する雛。それをポカーンとした顔で見つめる俺。

「雛」

「なっ、何?」

「嬉しいよ、ありがとう!」

でもごめん雛。百合に騙されてるよ。百合は、おととい買ったBLゲームをやりこむって張り切ってたから昨日は元々この部屋に来る気は無かったはず……。

これは秘密にしておこう。
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