先生のビー玉

わかってもらえること

昼休み、池田から呼ばれる佳奈。
職員室へ行くと、他の教師は誰もいない。

「こっち座れ」

池田の隣に座る佳奈。

「なんですか?」

そう言うと、

「あのな、研修の連絡がきた。
3月の第2週、月曜日から。
8時半始業だからそれまでに間に合うようにしろよ」

「はい。
で、どこに行けばいいんですか?」

そう言うと、

「初日だけここに来い」

「はい」

「いよいよお前らも社会人か」

そう呟く池田に、

「さびしい?先生」

そういう佳奈。
すると…

「ったく…幸せそうな顔しやがって」

「え?」

「知ってるぞ~」

「は?」

「どうやら成就したらしいな」

「…知ってるんですか?」

「知ってるも何も…俺は前から知ってたよ」

「…」

赤面する佳奈。
< 366 / 442 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop