サクラリッジ
ビュネとは完全に終わった。

事実が、私にそう告げている。

自分ではもっと強い人間のつもりだったが、女と別れたくらいでこうも落ち込むとは思いもよらなかった。

そんな瑣末な問題で悩むことのない、冷静な人物であろうと思っていたのに、だ。

もう、忘れてしまおう。

何の目的もなく飛び出した私は、どこへ行くこともなく自宅へと戻ることにした。
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